ある日、和傘の修理はできるか?と問い合せをいただきました。
亡くなった奥様が大切にしていた蛇の目傘を直してご自分で使用したいとのこと。
古い和傘は表面以上に内部の傷みが激しい場合が多く、修理は非常に難しいのですが、
お話をうかがうとご主人の想いにお応えしたいと思いお受けしました。
思ったとおり、中の骨が折れていたり・・・と困難ではありましたが
昔この和傘を創った職人の仕事を拝見する貴重な体験となりました。
奥様は赤の和傘でしたが、ご主人が粋にさしていただけるよう濃紺に衣替え。
しかし、かがり糸を赤にして奥様の傘の面影を残しました。
お二人の大切な想い出をつなぐお手伝いができ、ほっとしています。